由加里と抱き合ってたら、どんどんと講義を受ける生徒が入ってきて、気がついたら授業の始まる時間になっていた。
メガネの彼が何事もなかったかのように席へと戻って行く。
あたしと由加里も席に着く。
「ねぇ、由加里。彼知ってる?」
あたしは目でメガネの彼を追いながら由加里に聞く。
「あぁ、溝端君?密かに人気あるよ、彼。見た目地味で真面目そうで、でも身長も高くてスタイルいいし、多分メガネ取ったらそこそこ顔もカッコいいと思うんだよね♪だからなんて言うか、ちょいオシイ感じがまた人気なんだよね、隠れカッコいいみたいな?頭もいいし、シャイな感じで無口だから、みんな遠くから見てるだけって感じだけど。」
「へぇ。」
全然知らなかった。
同じ講義取ってたのに、今まで顔すら知らなかったなんて。

