★バレンタインの奇跡★



「…大丈夫?」

気がつくと、目の前に背の高い男の子がいた。

メガネをかけてて、見た目真面目そうなこの彼が、さっき助けてくれたなんて信じられなかった。

「…ありがと。」

やっとの思いで、声を絞り出す。

「麻衣っ!ごめんね、大丈夫?」

由加里があたしに抱きつく。

「何で由加里が謝るわけ?(笑)」

「だってぇ。あたし、あんな男と付き合うコト勧めたし。麻衣がフッてくれてホント良かったっ!!マジ男見る目なくてごめんっ!」

由加里の言葉に、何だか笑えた。

あたしの笑顔を見て、メガネの彼が微笑んだ瞬間、あたしの胸がキュンってした。