「井川君?麻衣嫌がってんだから離しなよ。」
「望月にはかんけーねぇよ!」
別人のように本性表した井川は、由加里を軽く突き飛ばす。
「由加里っ!」
あたしは由加里に駆け寄ろうとしたけど、井川に腕を掴まれて動けなかった。
男の人の力ってこんな強いんだ。
あたしは急に怖くなった。
引っ張られる彼に、どーしようもなかった。
「オレがお前の初めての男になってやるよ」
そう囁かれて、あたしは震えた。
こんな男と軽く友達だったなんて、自分を呪いたい。
そう思った時、背の高い誰かがあたしの前に来たと思ったら、次の瞬間井川の手があたしから離れて、彼が倒れこんだ。
一瞬の出来事に、みんな呆気にとられる。
「…っ痛てっ!何すんだよ、てめぇ!?」

