生徒会長は、背が高くて掴まりやすかった。
背中のぬくもりが腕に伝わってきて、なんだかすっごく恥ずかしくなってきた。

「ホラ!ついた!ほんまギリギリ!!」
「あ・・ありがとう」
「ん?礼はいらんよ?今度デートしてもらうから」
「分かった」

分かりましたよ・・生徒会長・・って・・・
デートッッッ!?
今、この人デートって言った?

「今、デートって言いました・・?」
「あ?うん。いいっていったじゃん」
「良くない!!なんでアンタなんかとデートしなきゃいけないのよ!!」
「入学早々遅刻しても良かったワケ?」
「う・・それは・・」
「じゃあ、決まりな!!」

そう言って生徒会長は爽やかに笑って去っていった。

「なに・・あの人・・」

明らかに昨日と性格違うし・・
なんか嬉しいことでもあったんだろうか?
それなら、まぁいっか♪

って・・
こんなコト考えてる場合じゃなーい!!
せっかく乗せてもらったのに遅刻しちゃうじゃん!!
いそげー!!


「ふぅ~。間に合ったぁ!!」
「ギリギリやん!」
「おはよ!妃那!」
麗とまことに話しかけられたけど、自転車置き場から4階の教室までダッシュで走ってきた私は息が切れててとても話せる状態では無かった。

「みんなぁ~!席について下さい!今日のHRは、テレビを見て行います」
担任の二宮先生が可愛らしい声で言う。
「せんせー!質問!テレビ見て何するの?」
クラスのうるさそうな男子が質問する。
「生徒会長からのお話があるそうですよ」
「生徒会長!!??」
私は大きな声を出して席を立ってしまった。
「生徒会長がどうかしましたか?丸原さん」
「いえ・・なんでもないです。すみません・・」
クラス中の視線が私に・・
恥ずかしっっ!!

しかも、生徒会長っていう言葉に反応するなんて、私バカだ・・・

まるで生徒会長のコトが好きみたいじゃん・・