見上げても見えきれないほどの高層ビルに吸い込まれていくように入っていく生徒会長の後を追ってあたしもビル内に入る。
ついついキョロキョロしてしまうあたしとは違って、真っ直ぐにエレベーターに入って行く。
「おい。乗らねぇのか?」
「っあ!!待って!!」
「こんな状況さっきもあったケド、懲りねぇ奴だな」
「う・・うるさい!!」

エレベーターに乗り込んだものの、生徒会長のマンションとは比べものにならないほどに遅い。
これが普通の速さだと思うけど、あのエレベーターに乗った後だから、凄く遅く感じた。

ドアの所に表示されているのは7という文字。
エレベーターのボタンは、50まである。

まだまだ着かないじゃん!!
こんなシケた空間にあとどんくらいいればいいんだよッッ!!

「妃那!」

誰・・?
あ、生徒会長かぁ・・。

くるりと振り向いた私の唇に、温かい「何か」が触れた。