「・・那!--妃那!」
「はいっ!?」
「どうしたんだよ。ボーッとして」
「いや。なんでもないです。ハイ」
「それより、夜メシどうする?」
「え・・?」
夜ご飯のコトなんて考えてなかったよ・・。

「食いに行くか?ここで食うか?」
「生徒会長の家なんだから、生徒会長が決めていいよ」
本当は、あたしが優柔不断なだけなんだけどね・・。

「ん~。じゃあ、せっくだし、食いに行くか!」
「うん!!」
「どこにすっかなぁ・・」
悩んでる表情の生徒会長はなんかちょっぴりクール。
やっぱりカッコイイ! なんて思っちゃったりして。

「フレンチのコースにすっか!!」
「ふれんち・?こーす・・?」
「フランス料理のフルコースだよ!分かんねぇのか?」
ハイ。 だって庶民だもん。
こんなお家に住めるんだったらこれくらい当たり前なのかもしれないけど・・。

「まぁ、いい。こっから車で30分程度の所にあるから」
「ふ~ん。って、車運転出来るの!?」
「んなワケねぇだろ!専属運転士ってモンがあるだろ?」
「せ・・専属運転士・・。なるほど・・」
やっぱお金持ちは居るんだ。専属運転士トカ。
ドラマの中だけだと思ってた!!

すると生徒会長がポケットから携帯を取り出し、どこかへ電話をかけた。

「あ、もしもし?加藤?今から俺ン家来てくんない?もちろん車で」

それだけ言うと、生徒会長は電話を切った。
加藤って・・誰??
あ、専属運転士の人か!
なるほどね・・。

私はチラリと生徒会長の方を見た。
そして、私はあるコトに気がついた。

「ねぇ、その携帯、euのでしょ?」
「ん?あぁ。そうだけど?」
「私も一緒なんだ!ホラ!」
私は携帯を取り出した。
生徒会長と、機種も一緒だった。

「あ、ホントだ。色違い」
私はピンク。
生徒会長は黒。
おそろいの機種。

なんだか、恋人みたい・・。

「こここ・・恋人!?」
自分で言って、ビックリしちゃってるし!

「恋人・・?誰が?」
へ・・?
私、口に出して言っちゃったの?

ど・・どうしよう!