「ひ・・ひ・・一人暮らしぃ!?」
「うおっ!なんだよ。いきなり大声出すなよ!」
「だって・・」
「一人暮らしで悪かった?」
「悪くないけど・・」
「じゃあなんでぇ?」
「料理とか掃除とかいろいろ大変そうだなって・・」
「あぁ、そんなことか・・。それくらいなら全部1人で出来るし」
生徒会長は少しはにかんで答えた。
この人・・やっぱり凄いや・・。

「先生とかに、なにか言われないの?」
「一応、親父と住んでることにしてある。けど、親父は本拠地の大阪に住んでるし」
本拠地・・?
あぁ、ヤクザのか・・。

そして、生徒会長と一緒にバス停でバスを待った。
バスを待ってる間は、生徒会長がくだらない話で笑わせてくれた。
無邪気に笑ってる生徒会長を見ると、なぜか嬉しくなる。
私も、笑いたくなってくるんだ。
なんでかは・・分からないけど・・。

そして、数分待った所でバスは来た。
そのバスに乗り込む生徒会長。
私もあわてて後を追う。

もう時刻も夕方。
部活か補修終わりの高校生数名と、老人会か何かの帰りっぽいおじいちゃん達を乗せてバスは出発した。
私達は、バスの真ん中くらいの位置に座った。

そして、途中のバス停で、そのほとんどの人が降りてしまった。
残っている人は、ほんの2~3名だろう。

そしてバスは高級住宅街の中へ。
そして、高級住宅街の最も高台にあるバス停で私達は降りた。
バス停の名前は『中嶋』。
人の名前みたい。

そんなささいなコトを思いながら生徒会長について行った。