お父さんはアタシが嫌い。

態度や接し方でわかる。

弟には優しくて甘かった。

自分の夢だったプロ野球の選手にしたいと思っていたのだろう。

弟には好きなものを買い与える。
欲しがるものはなんだかんだ言っても買ってあげる。

妹はまだ小さくて、何にもわからない。
ほとんど記憶もないだろう。
『お父さんっ』と甘えれば抱っこしたりしていた。

アタシはだんだん大きくなり中学生になった。

ある日、学校から帰ると、夜勤明けでお父さんが家にいた。

『久美、英語の教科書持ってこい。』

そう言われてアタシはかばんから英語の教科書を出し、お父さんに渡した。

『この意味を訳してみろ!』

そう言われたが、まだ授業で習っていないところ。

『まだ習ってないよ』

そう言うと、いきなりお父さんはアタシの顔を叩いて来た。

『こんなのわかんないのかよ!お前は本当に馬鹿だなっ!
だからかわいくないんだよ!』

そう言われまた、叩く・・・

アタシはだんだんムカついて来た。

『うるせーんだよ!習ってねぇーんだよ。わかるわけがねぇーだろうが!馬鹿はお前だ!』

アタシはすごい目つきで睨みながら、産まれて初めて親に反発をした。

(今に見てろよ!クソジジィ・・・)

そんな事を心の中で思いながら、アタシはこの日を境にお父さんを大嫌いになっていった。