「ハァ…」


なんとかしてやっと下駄箱の前まで辿り着いた。


今日はなんだか、疲れる1日みたい…。


「乃木 雅(ノギ ミヤビ)…」


下駄箱についてるナンバープレートに触れてみる。


綺麗に並ぶ“乃木 雅”の文字。

“乃木”


昔はこの名字が大好きだった…。
アナタと繋がって居られる、ただ1つの大事な繋がり。


この体も、顔も、アナタに触れられるすべてが愛おしかった…。


なのに、壊れるのはとても簡単だった。


まるで、ガラス玉を割るように簡単に砕け、粉々になる―…