振り返った先に居たのは…

私達と同じクラスで、私の親友でもある
浅野 彩華(アサノ アヤカ)だった。

肩につくかつかないかの、ショートボブに少し切れ長の目。

とても綺麗な顔立ちをしている。


悪戯っぽく笑った彩華は上履きに履き替え、


「ほらほら、そんなとこに居たら邪魔、邪魔ぁ~♪」


と、言いながら私達の前を通り過ぎた。


「ちょっ…待ってよっ!!?」


「わっ…俺を置いてくなっ!!」


私と春希は、彩華の後を小走りで着いて行く。


お馴染みのこの光景。
なぜだか、いつも遅刻ギリギリの私達は毎朝下駄箱で会う。


“…キーンコーンカーンコーン…”


古臭いチャイムが学校中に鳴り響く。

それでもボーッと歩いていると、
彩華と春希に腕を引っ張られた。


「っちょ、何して…??」


「「急いでっ!!」」


半ば強引に引っ張られながら、私達は教室まで走った。