「んっ…居ないのかなぁ…??」 男の人が玄関を通り越して中に入ろうとする。 まだ幼いながらに、入れては行けないとすぐに分かった。 『…っ、居ませんっ!!』 なんとか声を振り絞って勢いで言った一言。 少し震えながら、男の人をしっかり見据えて言った一言。 “なので、中には入らないで下さい” 後に続けるつもりだった言葉。 それも、男の人の口角が少し上がったのを見たら放心してしまって言う事が出来なかった。