不器用に、キミと。



普段は大人しくて、小動物みたいな千春。


パッチリ二重にマスカラのみのナチュラルメイク。


目をこすって、まばたきをした。



…決してこんなタイプなはずじゃない。

そう、彼女は小動物みたいでナチュラルメイクで………


何度頭の中でそう整理したかわからない。



昨日、千春と別れたあと一人部屋で泣いていると、彼女からメールが着た。

内容は至ってシンプル。


《明日、可愛い格好して、一時にバンバンの前ね!》

という、なんだか千春じゃないようなハキハキとしたメールだった。




そして、今に至る。


千春に言われた通り、自分なりに“可愛い格好”をして、バンバン…もといカラオケの中にいる。

そして、目の前には美少女。



目のまわりは黒く塗りつぶされていて、少し気の強そうな瞳…に見える。

そんな美少女は、当たり前のように私に話しかけてくる。



「遅いよ、まことちゃん。」


ふんわりとした口調。


見た目とのギャップが生じる。

でも、この声私は知っている。



「…千春。」


なんだか今人気のアーティスト、野西ナカに似てる。



(…うそだろι)


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