不器用に、キミと。



嗚呼。

なんでいつもこうなってしまうのだろう。


そういえば、こんなことは初めてじゃない。


ひとつは、初恋の君を比奈子に横取りされたこと。


私が告白されたのに、なぜかそこへ比奈子が現れて

『まことちゃんには他に好きな人がいるんだよ。』


と言った。


慌てて否定しようとしたけれど、比奈子はさらに言葉を続けた。


『あたしのがリョウくんのこと好き!あたしと付き合って!』


顔立ちの良い比奈子に迫られ、リョウくんは私の返事を聞かず、そのまま比奈子と付き合った。



もうひとつは、大好きな先輩に告白をしていた時、またもや比奈子が現れ『あれ?まこと、また別の人に告ってるの?』なんていうものだから、次の瞬間先輩から冷たい目で見られた。


比奈子のありえない一言で、私の二度目の恋も儚く散ったのだった。



私が恋をすると必ず邪魔をする比奈子。


ありもしないことを言って私を貶める。


それが悪気のない笑顔でするものだから、今日のこれまで“親友”だと思っていたバカな私。




初めてできた彼氏だった。


今度こそ幸せになろうと思った。


今度こそ上手くいくって思ってたのに。



信じていた二人に裏切られ、もう恋なんてできないじゃないかと思った。


_