彼氏とデートに行けなくなって沈んだテンションの中、友達と街に出かけて見つけたのは見慣れた背中。



私が見間違えるはずない。
視力1.5のこの私が。


人混みをかき分け、私はその背中を追う。


小、中と運動部に入ってた。そのおかげか、私はその背中を見失うことなく追いつくことができたのだ。



「キョウジ?」


「ま、まこと?」



ついさっき急のドタキャンをした彼氏と、街で逢ったのだ。


…隣には親友だと思っていた比奈子。
親しそうに腕を絡ませて、ふたり顔を見合わせ“マズい”という顔をしている。



「どういうこと?」


私は、つい数秒まえまで愛おしかった彼氏に冷たい視線を送る。



「えっと…これは…」



「言い訳くらい聞いてあげるから、さっさと説明してよ。」



ニコっと笑ってそう言うと、次は隣にいるついさっきまで親友だった比奈子に視線を移した。



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