不器用に、キミと。











「で、その日オススメだった聖地くんをお持ち帰りしたんだぁ?」


「はァ?!!!」




一見、大人しそうで可愛らしいこの容姿から、ギャップあるとんでもない発言を朝から耳にする。


発言者は千春。


この前から、彼女はかなりギャップがあるんだと知った。



「聖地くん、すごく可愛いよね。」


「ちちちちーちゃん、そういうわけじゃないんですけど。」


「じゃあ、どういうことぉ?」



小さく首を傾げる姿は、やはり私の知っている千春。


だけど、意外と押しの強い感じがあって、内心ビクビクしているのは私。

セーラー服を身にまとい、黒いオーラーを放つ千春に何も言えずにいた。


「あたしたちは、こういう機会があんまりないんだよ?男で泣かされたなら男で癒せ!よ!」


「泣かされたって…べつに、キョウジのために泣いたわけじゃ…」


「まことちゃんは、意地っ張りなんだからー。」


女の園、女子校に通い始めて早3ヶ月が過ぎようとしていた初夏だった。


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