ゆっくりと流れ込むウーロン茶。 味なんて確かめる前に、私は手を大きく振り上げ、それを思い切り振り下ろしていた。 パン……!!! 「は…?」 「「え?!」」 唇は離れ、頬が赤くなった目の前の男。 シーンと静まり返った室内に、驚いた顔がいち、に、さん……と。 いたたまれなくなり、頭の中は真っ白で、やっと発した言葉は 「か…帰る!!」 だった。 部屋を出て、カラオケバンバンから立ち去ろうとしたとき。 「お客さん、金ー…」 「は?!」 マスクをした変な店員に呼び止められた。 _