不器用に、キミと。




ゆっくりと視線が絡み合うと、彼が席を立ちこちらにやってくる。


そんな彼は、にこっともしない。だからといって仏頂面というわけでもない。


不思議な雰囲気を持つ彼に、ドキドキする。


私はというと、目が合ったというだけで胸の高鳴りが最高潮。



気がつけば、彼はもう私の目の前にいて、静かに私を見下ろしている。



その唇がそっと震える。

なにを言うのかと、じっと見つめる。


胸が無性にバクバクしてうるさい。


なに、これ…



「…なに好き?」


「え…」



彼が発したのは、なぜか疑問系。


わけがわからなく、彼を見つめていると



「ジュース、なんでもいいならこれにするよ?」

「えっ…」



彼の手にあったウーロン茶が、彼の口の中に運ばれたかと思うと、次の瞬間私の目の前に彼の長いまつげが見えた。


な、な、な…



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