不器用に、キミと。




ひとり、冷めた目で見ていると、隣の男が「何番だった?」と言ってきた。


そんな男に、私はすかさずこう言う。



「命令が言い終わる前に聞くって、ルール違反でしょ。」



ツンとした態度。


“あなたなんて嫌いよ”

そういった意思表示をしるしたのに、隣の男はデレっとした。



「まことちゃんツンデレ?可愛いなぁー。」


「はぁー?!」



なんでそうなるんだ?!

と思っても、隣の男はまったく違うとらえ方をするから困ったもんだ。



頭のネジが取れたようなこの男に呆れていると、千春が命令の続きを言った。



「5番の人が、1番の人とポッキーゲーム!」



キャッキャッとする女子群に、「いきなりデカいのキター!」と喜ぶ男子群。


私は、手元の割り箸を見たけれど数字は3番。


まったく関係ないので、安心できた。



だけど、王様ゲームってこんなのなわけ?!


と内心パニックだった。


今回は自分じゃなかったからいいけれど、もし当たってしまったら…


王様の命令は絶対。


今の命令が一番のメインならそれでよし。


だけど、これ以上があるというなら今すぐ帰りたい!


目の前のポッキーの端をそれぞれ加える男女を見て、そう強く思った。



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