夜が、闇を背負って急激に降りてきた。
 
そんな感じだった。
 
気温もガクッと下がって、浩之は、自分の軽装を恨んだ。
 
あれからだいぶ山を降りて、進むのを止めた。
 
麓へ続いている道路のすぐ脇に、今は身を潜めている。

アスファルトの道が、すぐ後ろの頭上1.5メートルほどの高さに通っていた。

「これからどうするんだ?」
 
浩之は、茂った草の上で足を折り曲げ、膝を抱き、道路の乗っかった土壁に、背を持たせかけていた。