その場で読んでいて見付かったりしたら、ひどい目に遭わされることくらいわかっていた。

だから、こっそり持ち出していたのに。



何でバレたんだろう。



とにかく怒った英樹は、これを取り上げた上に、浩之の右手を折った。

表情も変えずに。

メキメキっという音が、頭の中によみがえった気がした。
 
浩之は、それから目を逸らせると、歩き出した。