かなり痛かっただろうのに、声も上げず、動かない。
 
何が起こったのか分からずに、浩之は目を上げた。

ドアが開いていて、そこにエイジュが立っているのを見た。
 
赤い髪と赤い瞳の彼女が、銃口をこちらに向けてそこにいる。

いや、浩之を狙っているのとは、微妙に角度が違う。

「エイジュ!

お前何をやっているか分かってるのか!?

オレ達はお前のやり残した仕事を」
 
短髪が言い終わらないうちに、微かな発射音と、オヤジが崩れ落ちる音がした。

誰も、続きを喋らなくなった。