綺麗な子だった。

それだけじゃなくて、何か惹かれるものがあった。

ふと我に返ると、浩之の目の前には、エイジュじゃなく短髪の男のどアップが待っていた。
浩之が彼女の幻影を追ってる隙に、そばに来て、片膝を付いて顔を覗き込んでいたらしい。

よだれを垂らせそうな顔つきで、しげしげと浩之を見つめると、

「殺すには惜しいな」

心の底から湧き出た言葉を呟いた。

そのセリフと顔付きに、浩之の背中におぞましい感覚が走り抜けた。
 

こいつ、しょっちゅうオレを煩わせてくれるタイプの男じゃん。