それにしても、オレは何でこんなところに転がっているんだっけ?

しかも、手を縛られて。

状況がまだ飲み込めなくて、浩之は、大人しく転がったままで考えてみた。

そういえば、怪しいオヤジ達に捕まった気がする。

突然、浩之の頭上の方向から、シューッという音が聞こえた。

頭を逸らせて見ると、ドが横にスライドして開くのが見えた。

誰かが開いた隙間から入ってくる。

浩之は転がったまま、再び目を閉じてじっとしていた。

足音は、浩之の傍で立ち止まった。目を開けると、記憶にある二人の男が立っているのが見えた。

「おい、起きてるぞ」

短髪の方が言って、長髪が答えた。

「さっさと殺らないからだ」

 やる?

 殺る!?