そう思うのに、なぜか動けずにいると、車のドアが開いた。

じっと見ていると、妙にガタイがいいせいで、スーツ姿が不自然に見えるオヤジが二人、運転席と助手席から、同時に出てきた。
 
一人は長身で、長髪を後ろで束ねている。

とても痩せている上に、湯通して乾燥させたみたいに干からびて見える。

もう一人は頭頂部が薄くなった短髪で、でっぷりと肥え、絞ればラードが取れそうなほど、脂ぎっている。

二人があまりに対照的なせいか、その、やたら滑らかな身のこなしのせいか、彼らからは異様な印象を受けた。