「そういう反逆行為をしろって命令を、エイジュにプログラムしていた。とか言うんじゃないだろうな」

「まさか。オレはエイジュに、この組織の全てを知識として埋め込んだだけだ。あとは、革命を起こすためのマニュアルと」
 
英樹は言いながら、浩之の肩から手をのけた。

「お前がエイジュを操ったんだ。そうだろ?なかなか大したヤツだ」
 
ナイフを、浩之からゆっくりと離す。

「役不足ではあるが、人手が足りないから、お前をオレの下で使ってやるぞ。エイジュさえ、うまく操ってくれればそれでいい。どうだ?」
 
言って英樹はナイフを見、それを自分が持っていることに驚いた表情をして見せた。

「大丈夫、オレは何にもしないよ。ほら」
 
人の苛々を掻き立てるような、ゆっくりとした口調で英樹は言い、手からそのナイフをすべり落とさせた。