「どうしてここに居るんだ?」
 
言うと、英樹は、浩之の右肩の、傷の上を、ぐいっと掴んだ。

 浩之は、痛みに微かに目を細めた。

「エイジュがここにいるって情報を受け取って来てみたら、中で爆発が起こったようだった。エイジュの仕業だろ?」

「だったらどうしたんだ?エイジュに何の用なんだ?」
 
英樹は笑った。
 
いつもの笑いではなく、まともな人間のような笑いを作っていた。

「エイジュがここにいるってことは、エイジュはここの機能を麻痺させるつもりなんだろうってことが分かった。エイジュがここの中枢の連中さえ始末してくれれば、あとはオレが残った機能を乗っ取らせていただくだけだ」