「時田博士はね、あたしに自爆装置を埋め込んだの。時田博士のために、いつでも自爆出来るように」
 
動かない体中から、力が抜けていく。
 
英樹は、そういう保険も、エイジュにかけていた訳か。
 
自分が助かるために。

「十五分後に、この建物の外にいて。次の爆発に、ここが耐えられないかも知れないから」
 
そのときには、もうエイジュは

「さよなら、浩之」