やっぱり、か。

浩之は心の中で、長く、深い溜め息をついて、振り返った。
 
エイジュは、浩之を真っ直ぐに見つめていた。
 
その目は、炎を写して赤く輝いているくせに、冷たく沈んだ色をたたえていた。
 
浩之は、動きを止めていた。
 
息を殺して見つめるその先で、エイジュの唇は言葉を形どる。
 
ムシピンで標本箱に止められたように浩之の心臓が止まった。
 
このまま、時間よ止まってくれ。
 
心の中で、悲鳴のような叫び声を上げた。
 
なのに、