「じっとしてて」

浩之は、きれいに折った布でエイジュの肩に触れた。

「あたしに手当てなんて必要ない。あたしは」

 浩之は、エイジュの腕に、丁寧にきつく、布を巻きつけた。

「あたしは、人間じゃないんだよ」

エイジュは呟いて、抵抗しようとした。

「体は人間なんだろ?怪我をしてるんだから、手当てしなきゃ。今までだって。そうしてただろう?」
 
エイジュの体が、うなだれるように、力を失う。

「適切に、処置されてたよ。でも、浩之のに比べたら、まるで修理だった」