戦闘員のいる方へ曲がっていく。

横顔のエイジュの目は赤く染まっていた。

立ち止まり、銃を構えた腕を真っ直ぐに伸ばす。

浩之は、無意識に、エイジュのそばへ行き、その先の戦闘員を見た。

血を流している片腕を庇うように立っている。
 
当ってたのか?あれで?

浩之は、思わず、さっきの発砲で作られた弾痕を探した。

窓枠にそれらしいものはあったが、弾がめり込んでいる様子は無い。

違う角度に弾き返したのか。

それが、戦闘員を襲ったようだ。

浩之は黙って彼を見た。

彼は丁度浩之に狙いを定めて撃とうとしているところだった。

その視線に捕らえられて、浩之は動けなかった。

逃げるってことさえ、思考から消えた。