「痛ってえ」

痛みにうめき、浩之はそのまま地面に座り込んだ。

一体何だ?また兄貴と間違われてるのか?
 
目を開けて見上げると、薄っすらと人の影が見えた。
 
すらりとした体。

女、か?

濃紺の闇に、薄っすらと浮かび上がった姿を見てそう思った。

そのシルエットを、成り行きを見ようとして現われた月が照らし出した。

スクリーンから抜け出してきたような、端正なカオの女の子が、自分に銃口を突きつけてそこにいた。

すぐに目が合ってしまった。

こちらを狙っているのだから当り前か。