その光が、局所的に中を照らす。

「司令室の鍵を壊したから、少しは時間を稼げたと思うわ。誰かがきて、あそこをこじ開けて、中を見て…ほら、そこから出るわよ」

遥か向こうの左手に光が当っている。

 
浩之はそこまで、しゃがんだ姿勢のまま進んで行った。
 
入れ替わることのほとんど無い、淀んだ空気が肺に入る。

それが気持ち悪くて最小限に呼吸した。
 
近付くと、始めてそこから薄っすらと光が立ち登っているのが見えた。
 
エイジュが、そこにはまった枠を外すと、光は大きくなった。
 
そっとエイジュは明かりの中に首を突っ込み、辺りを見る。

「大丈夫。誰もいない」

言うと、浩之を見、一気にその中へ飛び込んだ。