ただ逃げ回っているときより明らかに、目が輝いている。

「もう一度戻って、司令塔にもぐりこむのよ。それから外にいる戦闘員達を全て呼び戻して、一箇所に集めるの。その間に、あたしたちは武器庫から火薬を運んで、戦闘員達を集めた部屋を爆破する準備をするのよ」

「どうやって中に入るんだ?」

エイジュは右手を差し出して、手の中のカードを浩之に見せた。

「IDカードよ。ゼロツーから奪っておいたの。これで入れるはずよ」

浩之は、エイジュを見ながら、大きく吐息をついた。

「組織をツブすと、本当にオレもエイジュも助かるの?」
 
エイジュは、まっすぐに浩之を見て、頷いた。

「それに、これ以上無駄に、人が死ななくてすむ。浩之は嫌いでしょ?人が死ぬの」