浩之の存在や、今の状況に、何の影響も受ける訳もないきれいな光が、無常にそこに浮かんでいる。

「こっちが死なない限り、終わらないってことか」
 
言って浩之は、視線を下げた。

ずっと見ていると、平和な星空に嫉妬してしまいそうだった。

 
代わりに、浩之にあわせてしゃがみこんでいるエイジュを見て、ニッと笑った。

「追い詰められる前に、組織に反撃を食らわしちゃうか」
 
無謀なことでも、前向きに思考を向けないと、ツブされそうだった。
 
だから言っただけなのに、エイジュの目は真剣に反応した。
 
黙ったままじっと考えている。