浩之は言われるままに、真っ直ぐ伸ばした右手を上げた。
 
肩に激痛が走った。
 
それでも息を止めて、引き金をひいた。
 
弾が静かに弾き出されて、木は自分を守る為に弾を避けた。
 
だけど、浩之には弾の飛んで行った先に注意を払う余裕がなかった。

撃った衝撃が、まともに傷を襲ったので、浩之は銃を下げることも出来ずにうめいた。

「引き金を引くときに、銃を揺らせてしまってる。

それに、撃つ瞬間、標的から目をそらせたでしょ」
 
バレていた。