ついて直ぐ、大ちゃんに腕を引かれ、いつもの部屋に連れて行かれた。

「お、来た来た。」

「大智、光紀に会ったか?」

入って直ぐに、槙がそう聞いた。

「あぁ、思ってたより早いな。」

「光紀のことだからなー、よく分かんねぇし。」

遼が携帯をつつきながら、そう言った。

「何が思ってたよりも早いの?」

「光紀が動くのが。まぁ多分暇になったからだろうけど。」

いつか来るとは分かっていたが、気分屋だからよく分からない。

らしい………。


「前にも来たことあるの?」

「そりゃあ、あるよー。どれだけ大変だったか!」

遼がめんどくさそうな顔をして、携帯から目を離した。


「前いた学校まで乗り込んできて、そこで乱闘騒ぎ。」

槙が苦笑いでそう言った。

乱闘騒ぎ……?

え、ちょっと待って。

もしかして、大ちゃんの弟って大ちゃんよりも恐ろしい性格してるの?

「そのまま大智も槙も俺も退学。で、探しまくった結果、今の学校だけが、俺らを受け入れてくれるって。」

「…………うちの学校でも乱闘騒ぎ…ってことはないよね…?」

「さぁ、分かんねぇ。」

平然としている大ちゃん。

「有り得ないことではないだろ。」

槙まで冷静だ。

「今回はもっとヤバかったりしてー。」

「「「「……………」」」」

そして遼が言ったことに全員が言葉を失った。


「あ、そういえば…」

「何だよ。」

槙が何か思い出したように呟いた。

「美憂さー、光紀に顔見られたんじゃないの?」

「……………」

槙の言葉に、固まる。

保健室で会った。バッチリ顔も見られたし、名前まで知られてる。