―キーンコーンカーンコーン…
チャイムがなると、バタバタと聞こえた足音。
「美憂っ」
あ、柚ちゃん。
桜井柚(サクライユズ)
通称 柚ちゃん。
綺麗な方の分類に入る、あたしの自慢の親友。
「どうすんの!?あんたの隣の席総長だよ!?」
………総長?
「何の話?」
「だーかーらー、隣の席の転校生の話!!」
「あぁ、あの不良の事」
「あの3人、只の転校生じゃないぞ。」
海斗が近寄ってきてそう言った。
「どーいう意味?」
「あの3人はな…「中原ー。 先生が呼んでる。」
バットタイミング…
先生、空気読んでよ。
「また後で話そう」
あたしがそう言うと、柚ちゃんは、仕方ない、という顔で頷いた。
話の続きが気になるけどね…
――――コンコン
「失礼しまーす」
ノックをして、職員室に入った。
「先生ー…」
「おぉ、中原。お前今日遅刻したよな?」
「あ、はい…でも、理由がありまして…」
「転校生を案内したんだってな。先生方に聞いたぞ、偉いじゃないか中原、見直した。」
「あ…どうもー…。」
褒められちゃったよ。
人助けをすると、良いことがあるもんだね。
「今回は、遅刻のことは見逃してやる。 明日からは気をつけるんだぞ。」
「はいっ!じゃ、失礼しました!」