「じゃあ涙の理由はそいつ?」
「えっ……」
どうして風磨にはお見通しなの…?
「その顔は…図星?」
「あ、いや……あの…」
「話してよ、なんで泣いてたのか。」
真っ直ぐな風磨の瞳から、目をそらす事なんて出来なくて。全部話すことにした。
名前は出さないようにした。
神岡大智って言ったら、きっとみんな、龍泉の10代目総長だって気付くだろう。
知らなかったのはあたしくらいだ。
大ちゃんが女の子と楽しそうに歩いてたこと。
あたしの時とは違ったこと。
「だりぃ」と、言われたことまで、全て話した。
「そいつとは前から仲良かった?」
痛いとこをつかれた…
「…転校生だから…最近仲良くなったばっか…」
「俺とそいつの違いは?」
違いって何なんだろう…?
「分かんない…先に好きになっちゃったんだもん…」
「先に出会ってたのが俺だったら?」
そうだ、先に会ってたのが、大ちゃんじゃなくて、風磨だったら…?
「それも分かんない…」
「俺なら美憂を泣かせたりしない。大事にする
だから……俺と付き合ってよ…」
泣きそうな声で、弱々しく言われて、自分の気持ちが曖昧になってきた。
分からない…
「ねぇ、ダメ…?」
「……………」
どうしよう…
このまま大ちゃんを思い続けても無理なのかな…?
彼女いるみたいだし…
風磨となら傷付かないのかな…?
でも利用はしたくない…



