「あ…もしかして…」

あたしの隣の席が開いているのは何故?

「美憂の隣って……」

海斗がそう呟く。

「あぁ、そこはさっきほ転校生の席だ。 中原、仲良くしてやるんだぞ。」

はい、無理です。

あたし一般人ですよ?

まだ死にたくないんです。

これほどまでに、あたしが気に入っていた、窓側の1番後ろの席を恨んだことはない。

「最悪…」

今日はもう来ないとしても、明日は来るよね。

あ、でも不良だったし…サボるって可能性も、ないことはないはずっ

そう考えると、少しだけ気分が楽になった。

「どんまいっ!」

海斗が笑顔でそう言った。

「…………海斗のバカっ!」

「ふっ」

鼻で笑われた!

何なんだこのやろー!

「中原、篠原、うるさいぞ。」

「「はーい…」」

それから少しの間、海斗と睨み合ったが、すぐに目を逸らされた。

「はぁー…」

溜め息ついたら幸せが逃げるんだよね。

そんなことはもちろん知ってるけど溜め息つかずにはいられないです!

もしかしたら今日から毎日溜め息三昧かもしれないです!

「はぁぁぁあー…」

「お前まじうるせー。」

「あーあ………」

「だからうるせーって」

「ちっ………」

「舌打ちすんなよ!」

「篠原っ!さっきからうるさいぞ!」

「あ…スイマセン……」

ざまーみろ!

人のこと笑った罰だよ!

「どんまいっ」

バカにして笑いかけると、海斗の笑顔は引きつって。口は笑っているが、目は笑ってない。

あー怖い怖い。