速攻閉めた。2秒で閉めた。


「……あはは…朝から変な幻覚を見ちゃった。」

まだ覚めきってない頭に幻覚だ、と頭に言い聞かせ、再びドアを開ける。

「閉めてんじゃねぇよ。」

幻覚じゃない!

なんで!?

「な、何で居るんですか…?」

今日改めて見ると怖いっ!

昨日は普通に話せたのに、今日となっては、敬語を使ってしまう。


「迎えに来たんだよ馬鹿。」

昨日の自分が嘘のようだ。

怖いよ、大ちゃん。

そんなに睨まないで!


「あ、そーですかー…」

「乗れ。」

ヘルメットを投げられ、慌ててキャッチする。

「えー…バイク?寒いんじゃないの?」

まだ10月中旬だけど、バイクに乗って風に当たるには寒すぎる。

あれ、あたしが寒がりなのかな。

「あ? 遅刻魔が文句言ってんじゃねぇよ。」

遅刻魔!?

失礼なやつ!

そりゃあ昨日は遅刻しちゃったけど、今日はまだ分かんないもん!

間に合うかもしれないじゃん!

「歩いていく。」

「……何言ってんだ、お前。馬鹿じゃねぇの、時間考えろよ。」

「関係ないでしょっ」

「あっそ、じゃあ、遅刻しても知らねぇぞ。」

いいですよーだ!