-美憂side-
「っハァ……ハァ…………っ……」
走り続けると、冬だということもあって、喉が痛くなってきた。
「あ………」
目の前に広がる真っ白な花畑。久しぶりに来た丘。あたし1人しか知らない特等席のベンチがポツンと寂しく置いてある。
「綺麗……」
森を抜けて、少ししたところにあるこの丘は、あたしが小さな時に見つけた。
とっておきの秘密の場所。
教えるのが勿体なくて、今まで誰も連れてきたことがなかった。
悩んだときや、疲れたときはいつもここに来る。
夏だと、花畑一面のひまわり。
冬だと花畑に花はなくて、一面に雪が積もってる。
「どうした、ら…いいのかな…っ…?」
1人になりたいわけじゃなかったのに。
こんな場所来ちゃったら、誰も来てくれないや…
首に巻いたままだったマフラーを巻き直して、ベンチに寝転ぶ。
泣き疲れたのか、目が重たくなってきた。
今寝たら風邪引いちゃう…
そんなことを思いながらも、重たくなった瞼を開けることができず、目を閉じてしまった。



