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「大ちゃん、帰ろっ」
「おう」
差し出された大ちゃんの手を握りしめた。
「大ちゃん最近車だよね?何かあったの?」
「あぁ、まぁな…」
綾香が来てから、大ちゃんは急に車で登下校するようになった。
「そっか。バイクは?」
「家。」
「もう乗らないの?」
「厄介事が終わったらまた乗る。」
「厄介事…?斎藤君じゃないよね?」
「違ぇよ。」
流石に違うか…
「美憂。」
真っ直ぐ前を向いたまま、大ちゃんがあたしの名前を呼んだ。
「何?」
「その厄介事が済むまで、登下校も話したりするのも無理かもしんねぇ。」
登下校も話したりするのも無理…?
「何で?」
「付き合う前に言っただろ。俺の彼女ってだけで狙われることもあんだよ。」
そっか…そうだよね…大ちゃん総長だもん。
「何か分かんないけど、頑張ってね!大ちゃん。」
「あぁ。」
遼と槙が早退してた理由が分かった気がした。
2人でゆっくりと歩くこと数十分。あたしの家が遠くの方にチラチラ見え始めた。
「もうちょっとだね…」
「おう。」
「大ちゃん今日歩くの遅いんじゃない?」
「…………分かってんだろ。」
「ふふっ、可愛いねー大ちゃん。」



