「いってぇ…!」

大ちゃんのその声と共に、ぐらつく体。

「わっ…!」

とっさに、あたしの体を押した大ちゃんの手を掴む。

「ちょっ…待て…っ!」


―ゴン!

「いっ………たぁーい!!」

―ピンポーン…

―ガチャ


「大智ー入るぞ……お?」

「「あ…」」

「あぁぁー!!」

「な、何!?」

「何勝手に入ってきてんだよ!」

あたしが焦っていると、見たことのない慌てようで、大ちゃんが槙と女の子?に怒鳴った。

先に入ってきた槙は固まって、女の子は叫んだ後の口を開けた状態で呆然としている。


「おっ、お前!鍵ぐらい閉めろよな!」

頭を打ち、大ちゃんの下敷きになっている。

おまけに、あたしのカッターシャツのボタンは、不良たちによって、すべて引きちぎられている状態。

………誰が見ても勘違いするだろう。


「どけっ、バカ大智!」

見たことのない女の子が、大ちゃんに怒鳴った。

「お前誰だよ。」

でもあの声って……

「ん?…あぁ、可愛い可愛い遼君ですけど。」

「は?」

大ちゃんは訳が分からないというような顔をしている。

「な、何で女の子の服着てんの…?」

「まぁ簡単に言えば、美憂の家行くためだな。」

あたしの家に行くため?

「よく分かんないけど、まぁありがと。」

「おう、着替えとかも貰ってきた」