SleepingBeauti

数年が経ち、ぼくが小学五年でお姉ちゃんが六年生だった、ぼくの誕生日。

六月二十五日。

その日は朝から雨が降っていた。

通学路には赤や青、紺といったいろんな色の傘がずらりと列んで、規則正しく前へと進んでいた。

ぼくは姉の赤い傘を見つけると、その規則正を破り、横断歩道を信号も見ずに走りだした。