出口の見えないトンネルを一人で歩く。

そこにはひとすじの光りもなく、なんの音もしない。

それは朝であっても、鳥のさえずる声さえ聞こえない。

そこに在るのは、ぼく、という存在と、寂しいという感情だけがあった。

その感情を押し殺し、ぼくは生活していた。

ぼくは孤独だった。