あの後、のぞみの父親は追い掛けることは、しなかった。

だからといって、二人を認めることは、ないだろう。

認めてしまえば、罪を忘れることになるのだから。

それでも父親として、のぞみが幸せならと、見逃してくれたのだろう。

ぼくと、のぞみは、今まで押さえていた気持ちを解き放ち、晴れて、同棲をはじめた。

居候ではなく、同棲。

つまり、恋人同士になったわけであり、いろいろな決まりごとが無くなった。

そのせいで、少し手狭になった部屋から、二段ベッドを捨てることにした。