SleepingBeauti

会社につくと、みずきが血相を変えて詰め寄って来た。

「白川先輩、彼女いないと言ったじゃないですか」と言った。

「いないよ?」とぼくは言う。

「じぁあ、あの女の人は誰ですか?」と尋ねる。

のぞみのことを言っているのは、すぐにわかった。

でも説明するにはあまりにも難しい。

関係ないだろうと言う思いが心の中で湧く。

夕方の事で、ぼくの心はとうにいっぱいいっぱいなのだ。

だから、ぶっきらぼうに言い放つ「同棲相手だよ」

そう告げると、みずきは押し黙った。

そして、また同じせりふを言う「彼女いないと言ったじゃないですか」と。

だから、ぼくも繰り返す「彼女じゃない」と。

すると、みずきは涙目で言った「意味がわからない」

そう言ってぼくのまえから立ち去った。