それにしても、みずきは変わった。

ぼくの知っているみずきは、おとなしくて、ひかえめで、いつも三歩後ろにいる。

そんな存在だった。

だけれども、最近のみずきは違った。

会社でも社交的で、熱心に仕事をこなし、ぼくにもよく話しかけてくるようになった。

明るくて、活発な女の子として周囲からの評判もよかった。

みるからに無理しているふうでもなく、ごく自然に振る舞っているようにみえる。

これが本来のみずきの姿なのかも知れない。

ただ、社交的なみずきにたいして、ぼくは一抹の不安を覚えるのも確かだった。

社交的に振る舞うみずきが、いつか姉の話しをするのではないかと。