SleepingBeauti

ここで働く人達の半数が多国籍で構成されている。

特に夜勤組は八割の外国人がしめていた。

十二時間労働に同じ作業を永遠と繰り返し、働く者の目に生気は感じられない。

休憩時間でさえ、日常会話の一つ、話すことのない職場だった。

こんな職場に河内百合の存在はとても異質に感じられた。

確かに給料面は労働時間に比例して、それなりの給金は、もらえる。

だけど、彼女のような存在は珍しかった。

だから彼女は彼女で、ぼくのように何かしらの理由があるのだろうと、ぼくは思っている。

それを詮索するほど、ぼくは野暮ではない。

誰だって聞かれたくないことはあるはずだ。

ぼく自身がそうであるように。