「ありがとう、颯太くん。」
「別に、大したことじゃないから。」
柔らかく微笑むかなえ。
照れくさそうに頭を掻いている颯太。
何だか少しほほえましかった。
それから何日か過ぎた。
夏休みもいよいよ終盤だ。
そんなとき、奈都子はかなえから相談を受けていた。
「だからね、颯太くんといるとすごくドキドキするの。」
かなえは颯太に恋をしていた。
「じゃあ、告白しなよ。」
奈都子は知っていた。
颯太もまた、かなえに恋をしていることを。
「そんなこと……。」
「大丈夫、絶対にうまくいくわ。私が保証する。」
「でも……。」
「少なくとも、嫌いな人たちと旅行には来ないわ。」
「そう、だね……。じゃあ私、頑張ろう、かな……。」
「うん、その調子だよ。」


